TR Chief 渡邊茜
“私でよかった”と言ってもらえるように
(記: 2021/11/10)
「”TRで良かった”と言われるようなTRになる。」TRになろうと決めた日、そう日記に書きました。あれから4年近くが経とうとしています。
吹奏楽部に所属していた高校時代は、朝から晩まで楽器を吹く日々でした。悠々自適な大学生活を夢見るもつかの間、私はなぜかアメフト部に入部しました。今思えば、ダメ金という形で全国大会に進むことが叶わなかった自分と、TOP8を目指しチャレンジマッチで敗れたMASTIFFSが重なったからかもしれません。異なるセクションでハーモニーを成す吹奏楽と、各partが役割を全うするアメフトというスポーツにも、どこか親和性を感じたように思います。
選手の一番近くで一緒に頑張れる人になりたい、とTRというポジションを選びました。
誤解を恐れずに言うと、学生TRは無力です。私たちは怪我をした選手を治療することも、身体を大きくすることもできません。多岐にわたる仕事に正攻法などなく、自己満足で独りよがりなこともしょっちゅうです。泣く泣く選手生活を終えた先輩、4年の秋に怪我で離脱した同期。彼らにできることは残念ながらひとつもありませんでした。自分の無力さを悔やみ、やるせなさに憤ったことが何度もあります。それでも、小さな努力の積み重ねや誰も気づかないような気遣い、選手にかけるその一言が誰かの力になっていればいいなと思い過ごしてきました。そんな生活も残り一か月程です。4年間を試合に例えると4Qの2minutesといったところでしょうか。試合終了の笛が鳴ったとき、一人でも「茜がTRで良かった」と思ってくださる方がいるとしたら、私がTRとしてこの部にいた意味があると思います。
MASTIFFSでの生活は、数えきれないほどの選択の連続でした。たくさん失敗もしたし、自信を持てないこともありました。特にTRチーフを務める今年度、判断の影響力が大きくなり悩むことが増えました。ただ、どうせ後悔するのなら後悔してもいいと思える選択をし、決断した自分にいつか感謝できるように全力を注ごうと思うようになりました。『TOP8昇格』―1月に掲げたこの目標は、先輩方から受け継いだ目標でもあり、来年以降のMASTIFFSへの最大貢献でもあります。数々の決断をしてきた今までの自分にありがとうを言えるように、ラスト1秒まで駆け抜けようと思います。
最後に、この場をお借りして素直な気持ちを伝えさせていただきます。
同期のみんなへ
みんなとだから踏ん張れたと思うことがたくさんあります。普段は茶目っ気たっぷりだけど、部活に対しては真剣で尊敬できる選手たち。国士舘戦、サイドラインから見るみんなのことを(初めて笑)かっこいいと思いました。そして時にぶつかりながらも、各々の信念を貫きつづけたスタッフのみんな。同期全員のことを心から誇りに思います。
両親へ
入部を報告したとき、きっとすごく驚いたと思います。それから、2時間通学をしていた私を嫌な顔一つせず深夜に迎えに来てくれたり、選手ではないのに毎試合足を運んでくれたり、本当に感謝しています。もう少しだけ、わがままな娘にお付き合いください。
MASTIFFSを応援してくださる皆様へ
久々の有観客となった国士舘大学戦では、オレンジ色に染まったスタンドから大きな勇気を頂きました。残り試合も部員一同大切に戦いますので、ぜひ会場に足を運んでいただけますと幸いです。今後ともMASTIFFSへの温かいご支援・ご声援をよろしくお願いいたします。