【MASTIFFS ’21 Last essay#30】

主務 MG 村岡紀香
大切な人と共に
(記:2021/11/22)

言葉巧みでない私には、想いの全てを書き記すことはきっとできないですが、この場をお借りして想いのままに綴らせていただきます。

_____________________________________________________

大学生活の4年間を思い返すと私はたくさんの喜怒哀楽と悩み葛藤する苦しさを経験しました。そして、その感情の一つひとつには必ず“大切な人”が関わり、私を成長させてくれたように思います。

新歓期、「高校生のときのような勉強と部活のことばかり考える生活とは違う生活を送ろう」そう決めて様々な団体に遊びに行っていました。しかし、どんなに断っても連絡してくださる“先輩”のおかげで、寝ても覚めてもアメフト部のことを考えるようになってしまいました。様々な要因から家族には反対され、一度は入部を断ろうかとも思いましたが、自分自身の大学生活に自信を持って「一番良い選択だった」と話す先輩のようになりたくて家族の反対を初めて押し切り、アメフト部へ入部しました。

そんな私には4年間の中で自分自身が大きく変わったと思える出来事があります。
それは3年時のリーグ戦終盤に後輩が「部活を辞めたいです。」と相談してくれたときのことです。後輩からの相談がまさか自分を変えるきっかけになるとは思ってもいませんでした。しかし、とにかく後悔し、悩み、そして勇気を出したあの瞬間は私を変えてくれました。

1年生の夏、中学・高校では選手として活動していた私は「勝利」という結果を出すために自分自身が直接貢献できないことに対して早々にもどかしさを感じてしまいました。そのせいか楽しさを感じても先輩方ほど勝つことに強くこだわれない自分に戸惑い、私がチームにいる意味を考えるようになりました。
そんなときにある“先輩”から言われた「存在意義を考えるのなら、まずは意味のある行動をしてみたら?価値は探すものではなくて生みだすもの。」という言葉で私は考え方がガラリと変わりました。それ以来、自分自身の行いがチームに、仲間に、どのような価値を生み出せるのか、生み出したいのか、考え動くようになったのです。だからこそ、2年生となり後輩ができたとき、私が生み出したい価値の一つに『後輩の大事な4年間を後悔させない』というものが加わりました。
そんな私にとって“後輩”からの「辞めたいです。」という相談は苦しかったです。「私の力不足だ。」と内省し、「もっとできたことがあったのではないか。」と後悔しました。それと同時に、自分自身と向き合い続けました。

「なぜ、私は今もなおこの部に居続けるのか。」
問えば問うほどわからなくなる瞬間もありましたが、失いたくない“大切な人”しかこの部にはいない。その一人ひとりとの繋がりが気付かぬうちに私をこの部に留めていたのだと気付くことができました。

「他人の人生に私がこんなにも影響を与えてしまってもいいのだろうか。」
これは新歓期に入部を勧めるときや辞めたい部員に辞めてほしくないことを伝える前にいつも頭をよぎる考えです。後輩に伝える前も何度も立ち止まりましたが、影響を与えたい大切な人だったからこそ厳しい言葉も私自身の考えも伝える決断ができました。気にしいであり、自分自身の考えを言葉にして伝えることに対して苦手意識が強い私が嫌われる覚悟と自分に自信をもって相手に伝えられたこの出来事は気付かぬうちに私の殻を破ってくれたように思います。
あのときは厳しいことを言ってごめんね。今も一緒に活動し、私を支えてくれてありがとう。

この出来事をきっかけとして「誰もが胸を張れ、誰からも応援される魅力あるチームにしたい」と意気込み主務としての一年間が始まりました。しかし、待っていたのは想像以上に思い悩む日々でした。
TOP8に行けるのかという不安や自分のミス一つがチーム全体に影響する責任感に圧し潰されそうになる毎日。こうしてチームのことを考えるあまりMGユニットまで目配りができない自分や部活動を楽しむ余裕なんて皆目ない自分を嫌いになったことは数えきれません。目まぐるしい日々が苦しくなり、何もかも投げ出したくなったことや「私が主務で良かったのか。」と自問しながら嗚咽したことは幾度もありました。こんな後ろ向きなことを考えている場合ではなかったはずなのに考えてしまっていたのが事実です。応援してくださる皆様にはお恥ずかしいですが、これが私でした。では、なぜ、頑張れたのか。それは大切な“チームメイト”の存在、そして支えてくださる“全ての方々”の温かすぎるくらいのお心配りがあったからです。

コーチの皆様
たくさんのご指導をありがとうございました。
また、私を気にかけ個別で声をかけてくださり、本当にありがとうございました。見てくださる人、理解してくださる人がいるということが何より嬉しく、私なりに頑張ろうと思うことができました。至らない点ばかりの私を時には厳しく、時には優しく、ご指導くださり本当にありがとうございました。

OB・OG会の皆様
どのような時もMASTIFFSを想ってご支援・ご声援をくださり、誠にありがとうございました。1年生のときに連絡したことを4年生になっても覚えてくださっていた方や、小さな変化に気付いて連絡をくださる方、実務にまで目をかけてくださる歴代の主務の方、4年生を気遣う温かいお言葉をかけてくださる方、、、
これまでMASTIFFSを創り続けてくださったすべてのOB・OGの方に心より感謝申し上げます。50年もの間この組織を紡いでくださったおかげでMASTIFFSでの生活を送ることができました。今度は私たちが後輩たちに襷を渡し、支える側となります。これからは共に支えるOB・OG会の一員としてどうぞよろしくお願いいたします。

後援会の皆様
いつもパワフルな応援を本当にありがとうございます。愛がいっぱい詰まった皆様にいつも笑顔をもらっていました。特に現役保護者の後援会の皆様は、たくさんの愛情を部員に注いでいることが窺えて羨ましくなってしまうほどでした。愛にあふれた素敵な皆様は私の憧れでもあります。全員と直接ご挨拶できなかったことが悔やまれますが、この場をお借りして感謝をお伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。

友人へ
チームを知ろうとし、応援してくれる中学・高校・大学の友達にも感謝したいです。本当に苦しい時、私を支えてくれたのは親友でした。「紀香が頑張っていないところを見たことがない。」そんなふとした一言が嬉しく、そして力になりました。私の周りにいる誰もが「頑張る紀香が好き」と言ってくれたおかげで今の自分があります。本当にありがとう。

最後に同期へ
私はみんなのことが大好きです。正直、スタッフの私がこんなに「勝ちたい」と思うとは入部当初思ってもいませんでした。こんなに強く思えたのはアメフトに真摯に向き合うみんながいたからです。普段はおちゃらけながらもやるときはやり、そしてちゃんとかっこいい選手。一人になっても冷静かつ熱い心を持ち合わせた青い炎を燃やしチームの勝利を一番に考えるAS。如何にやらせ切るかを考え選手の身体を強くし、担当選手が怪我をしたら選手と一緒に苦しさを共有するTR。チームの運営を卒なくこなしながらMASTIFFSという価値を生み出し発信すべくアイデアを形にし続けるMG。みんなには「追いつきたくても追いつけない」と何度も思うほど、それぞれがそれぞれに素敵な輝きを持っていました。同期に怒られ悔し涙を流した日もTOP8に行こうと同期と固く誓った日も私を大きく成長させた大切な瞬間です。MGとして、主務として、みんなと一緒に夢を追いかけられて本当に幸せでした。ありがとうでは足りないくらい感謝しています。最後まで駆け抜けましょう!

私は本当に人に恵まれています。MASTIFFSを通じて出会った全ての人に「ありがとう」という言葉では表せないほどの感謝をしています。素敵な出会いを通して私は大きく成長することができました。
最終節・慶應義塾大学戦では皆様に恩返しできるよう最後の1秒まで戦い抜きます。皆様も一緒に戦っていただけますと幸いです。