【MASTIFFS’22 Last essay #5】園田理貴

RB #30 園田理貴
失敗ばかりの4年間だった。
(記:2022/09/14)

失敗ばかりの4年間だった。

1年生のころから、練習にもいかず、筋トレや食トレもしなかった。文字通りの問題児で、コーチや先輩からもすぐに辞めると思われていただろう。

やる気がなかったわけではないが、筋トレや食トレなど地道にコツコツやることが嫌いだった。どこかサークル感覚でやっていたのかもしれない。そんな自分に期待をしてくれる人はいなかった。才能もないし、努力もしないやつなんて、自分でも応援しないと思う。しかし、2年生の日本体育大学戦でFumbleし、同期のエースQB#1 壽藤に怪我をさせてしまった。そこから少し本気でアメフトに取り組むようになった。

自分がやると決めた以上、味方なんていなくてもいい。自分だけは自分の可能性を信じていた。「誰に何を言われようとかまわない」なんて言えるほど出来上がった柄じゃなかったので、後輩や同期の言動に傷つくこともあった。だが、すべてが嫌になってもアメフトだけは嫌にならなかった。自分にたった一つだけあった才能が、好きなことを好きで居続ける才能でよかったと思う。

「頑張るときはいつも今」

この言葉が自分の原動力だ。人は過去には戻れない。失敗をなかったことにはできない。自分にできることは、「今」を頑張ることだけだ。多くの失敗を積み重ねてきたからこそ、上級生になって、やっとこの言葉の重みがわかってきた。この言葉を体現できるように残りのアメフト人生も頑張っていこうと思う。

最後に、このエッセイを書くにあたって思い出したのは、成功体験より失敗経験ばかりだった。それは、その失敗が自分を成長させてくれたからだと思う。4年間を通して、自慢できるような実績は残していないが、唯一誇れることがあるとしたら、その失敗に目を背けず、常に向き合っていったことである。

後輩へ
アメフトは楽しいですか?部活は忙しいですか?
部活には楽しいことが多いけど、その何倍も嫌なこともあるでしょう。
ですが、アメフト部でも、そうでなくても、現実世界にはきついこと、苦しいことはあります。
むしろ、この部活の中で、たくさん失敗をして、たくさんの困難に直面してください。
順風満帆な人生よりも波瀾万丈な人生を歩んでください。
虹を見るために、少しの雨くらい我慢してください。
失敗することは怖いし、プライドを傷つけるでしょう。
それでも、傷跡を隠すよりも、その傷跡すら愛せるような強い人間になってください。いつか笑える日が来るから。

19の僕へ
お前に言いたいことが一つある。
アメフト部に入部をしてくれてありがとう。
あのとき憧れたエース像には似ても似つかない姿だけど、それでもお前が今の僕になりたいと思えるようなヒーローになるから、どうか見ていてくれ。

同期のみんなへ
たくさん迷惑をかけてごめん。みんなが僕をどう思っていようと、僕にとってはみんなが最高の同期です。

家族へ
急にアメフトなんて始めてごめん。アメフトは危険なスポーツという印象があるなかで、それでもやりたいと言った僕をずっと応援してくれてありがとう。なんだかんだ4年間続けて、人生で誇れるような経験もできたよ。もっと活躍した報告をしたかったけどね。あともう少し頑張るから見てて。

この部を支えてくださっている全ての方へ
普段からご支援・ご声援いただきありがとうございます。
すべての想い、期待を背負い、フィールドでMASTIFFSらしい泥臭い姿を見せたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。