【MASTIFFS’22 Last essay #20】TE#12 副将 中村航

想像以上の4年間

(記:2022/11/14)

 

今回Last essayを書くに当たり4年間を振り返ると、自分が入学当初思い描いていた以上の4年間を過ごせたと思います。

 

自分は、父親の仕事の都合で渡米し、中学3年生の秋から約4年間現地校に通っていました。渡米当初は全く言葉が理解できず、海外生活を楽しむどころか苦悩の連続の日々でした。日本人も殆どおらず、勉強に付いていくことに精一杯で、友達が話していることも分からないことが多く、毎日学校に行くのもとても辛かったです。そんななか、何事も経験だと思い、中学時代にタッチフットをしていたこともあり、アメフトを始めることにしました。アメフトはコミュニケーションが欠かせず、細かい戦略を理解しなければならないため、言葉の壁は大きく、また体力的・スキル的にもアメリカのレベルの高さを痛感し、続けていくことができませんでした。自分にとってこのアメリカでの4年間は辛いことも多くありましたが、忍耐強くやり抜いた4年間でもあり、今の自分の基礎を作った日々でもあったと思います。

 

その経験から、大学では仲間と共に切磋琢磨できる環境で4年間過ごしたいと思いながら、自分が所属するサークル・部活動を探しました。MASTIFFSの新歓イベントに参加したとき、部活の雰囲気や勧誘PVの先輩たちの勇姿を見て、「ここでなら自分が思い描く4年間を過ごすことができるのではないか」と思い、入部を決意しました。

 

入部当時、土のグラウンドで泥だらけになり、日々真剣に取り組むアメフト部の環境は忙しいながらも、自分にとってはとても居心地が良く感じられました。しかし、当初WRとして練習をしていた自分は、身体は細く、とりわけ足も速くもなく、キャッチがうまいわけでもない、目立たない選手だったと思います。同期が試合で活躍し始めるなか、自分の無力さを感じるようになり、自分を変えたいと強く思うようになりました。2年生のオフシーズンはコロナ禍で全体練習ができなかったため、日々ウェイトトレーニングや食事トレーニングに励みました。転機になったのは、3年生の春TEにコンバートしたことでした。フィジカルを強化して迎えた春オープン戦、ポジションをTEにコンバートしないかという話をコーディネーターから頂きました。MASTIFFSのTEはOffenseの中核を担う存在であり、看板ポジションであると入部当時から感じていました。池村さんという目標とすべき先輩もおり、日々技術を吸収しながら、充実した時期を過ごすことができました。その結果、秋リーグ戦にスタメンを掴み取ることができ、本当に嬉しかったことを今でも覚えています。

 

TOP8という先輩方が夢見ていた舞台で戦うことになった新体制で、自分が中心となりこのチームを率いていきたいと思い、副将に自ら立候補しました。自分は本来人を引っ張っていくような性格ではなく、人に対して気を遣い優しすぎるところがありますが、「みんなと成長したい、みんなでこのTOP8に下剋上を挑みたい」自分にとっての挑戦でもありました。春オープン戦は全体としても、Offense unitとしてもまとまりに欠け、個人としても結果を出すことができず、このチームで本当にTOP8で戦えるのかと不安と焦りばかりが募っていきました。4年間のなかで間違いなく一番辛い時期でした。不安を払拭できず迎えた秋リーグ戦でしたが、下級生の目覚ましい成長や試合を重ねるごとにチーム全体がまとまりを見せてきたことなどを通して、副将として今できることは目の前のことに全力で取り組んでいくことだと気持ちをシフトすることができ、今に至っています。チームとしてはまだ勝利という形で下剋上をTOP8に果たすことはできていませんが、新体制当初からみんなで成長してきたチームとここまでやってこれたことを心から誇りに思います。後悔はありません。このチームでの最終戦まで、あと2週間となりました。みんなで一丸となり、最後の最後まで悔いのないよう戦い抜きます。

 

後輩へ

厳しいシーズンのなか、ここまで付いてきてくれて本当にありがとう。下級生の目まぐるしい成長、部活に対する姿勢などに幾度も励まされました。最終戦、悔いの残らないように終えるためにも最後まで一緒に戦い抜こう。そして、この1年大変な思いをした後輩もたくさんいたと思います。しかし、このアメフト部での経験は必ず人生の糧になると思うので、諦めずにやり抜いてください。その先に必ず自分の成長が待っています。

 

同期へ

自分が思い描いていた以上の4年間を過ごせたのも、この同期がいたからこそです。みんながいなければ今の自分がないと思えるほど大切な存在です。この同期で戦えるのも残り1試合、みんなで悔いなく笑って終われるように最後まで一緒にやり抜こう。

 

両親へ

ここまで自分が自由に真剣にアメフトに打ち込めたのは2人のおかげです。自分の1番のファンでいてくれて本当にありがとう。2人のおかげでかけがえのない4年間を過ごせたと思います。この感謝を言葉だけではなく、行動で示して親孝行していこうと思うので待っていてください。

 

最後になりますが、日頃MASTIFFSを支えてくださっているOB・OG、後援会、ファンクラブ会員の皆様、並びにコーチ、MBの皆様本当にありがとうございます。皆様の存在があったからこそ、今シーズンTOP8で戦えたと深く感じています。この感謝の気持ちを胸に最終戦、精一杯やり切ります。応援のほどよろしくお願いいたします。