【Last Essay’23 #1】RB #29 納見直聖
四年目を迎えて
記:2023/11/02
私はスポーツが好きだった。アメフトを始める前は小学3年生からずっと野球をしていた。中学時代、中国大会がかかった試合後、「お前のせいで負けた」と監督に言われた。高校でも一生懸命頑張ったつもりだったが、その記憶は受験時もずっと頭から離れなかった。悔いなく自分のスポーツ人生を終えたいと思い、MASTIFFSに入部をした。
一年生の頃はひたむきに練習をした。今では考えられないが当時は四年生にRunning Backが4人もいた。同じポジションの一年生は自分だけだったので、沢山の事を教えてもらい成長できる毎日が楽しかった。秋初戦の明学戦で引き分けた後、先輩達にスイッチが入ったのがわかった。それまで怒られるようなことはなかったが、練習中にボールを落とすことが続き、いよいよ怒鳴られた。その時はなぜそこまで怒るのかと不貞腐れてしまった。だが学年が上がるにつれて勝利のために頑張る人を見て、100人近くの人に託されるボールの重さを知り、先輩が怒鳴った理由が分かってきた。
二年生になり、上級生と同じ量の練習をこなすことになり、加えて勉強も忙しくなった。コロナ禍で授業後カラオケや食事に誘われてもいけなかったので私の友人は少ないままだった。技術では上級生に及ばないので、練習ではダメ出しばかりで、帰ってからはかつての友人に電話をするのが唯一楽しみだった。オフの日はずっと眠るような日々だった。なぜやめなかったのかは自分でも不思議だが、姉が泣きながら部活のマネージャーを続けて、それでも卒部式には笑顔でやって良かったと言った姿を見ていたからかもしれない。
まあなんとかしているうちに四年生になった。JV期にチームをまとめ、誰よりも輝いて見えたKick leaderや私がいいと思ったプレーでももっと何かできたはずと考えるエースのRunning Back、上級生と同じ量の練習をしてミスをしても不貞腐れずに自分からアドバイスを求める一年生など、尊敬する人がいるおかげで今も成長しようと思えている。
そしていよいよ桜美林戦を迎える。先ほど、格好をつけてボールの重さなんてことを話したうえに、選手としてこれが四年間で最後の試合になるかもしれないと思うと緊張して仕方ない。だが谷口さんのように力強く、本岡さんのように俊敏に、松井さんのように熱い気持ちを持って、迫さんのように楽しんで、何度も教えてもらい、間近で見てきたことを体現できるよう全力を尽くす。そして昨年度から成長したみんなと新たに増えた一年生と一緒に下剋上を果たす。
最後に支えてくれた全ての人へ、コロナ禍で人間関係が希薄になり、今まで自分が頑張れてきたのは一緒に笑って悩んで過ごしてくれた皆さんがいたからだと気づきました。気の利いた言葉が出てこずに申し訳ないですが、本当にありがとうございました。
