【Last Eassy’24 #7】TR 吉永珠緒
「学生TRとしてできること」
記 2024.11.10
私たちが3年生になるとき、TRはAT(Athletic Trainer)とSC(Strength&Conditioning)にわかれて活動を始めた。全員共通で行うテーピングや怪我対応などに加え、ATは怪我をした選手のリハビリ作成・管理や選手状況の管理、怪我予防メニュー作成などのメディカル面の仕事をし、SCはup, agility, conditioningのメニュー作成・指示出しやweightの管理など選手の身体を強化する仕事をしている。
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中高続けてきた吹奏楽の代わりに何か一生懸命になれるものを探していた。人の温かさと全員が目標に向かう姿勢に惹かれて、アメフト部に入部し、TRを選んだ。運動とは無縁だった私は、 何もかもが新鮮だった。大きな声が出せない、テーピングが早く巻けない、agilityがわからない、多くの壁があったが、先輩方や同期のおかげで乗り越えられた。同期や先輩と会うことが楽しみで休まず部活に行っていた。サイドラインから見る試合はいつも圧巻だった。
2年生になり、上級生の担当partを持った。十分な知識のない自分に、TRとして何ができるのだろう、と不安を抱えていた。指示出しがうまくいかず、選手に迷惑をかけることもあった。シーズンが始まり、担当選手が怪我をし、長期のリハビリが必要となった。メニューの立て方が分からず、TRコーチに相談しながらリハビリを進めていたが、競技復帰に向けての取り組みが遅れてしまう時期もあった。もっと自分に知識があって怪我と向き合うことができれば、選手は安心してTRを頼ることができ、よい状態で復帰できるのではないか、と反省した。私たち53期TRは一つ上の学年にTRがいなかったため、2年生の秋から来年のTR体制について考えた。専門性を高めて選手を強くしたい、各々の得意を活かしたいという目的からATとSCに分かれようと考えた。先輩方やコーチの方々に相談し、これまでのMASTIFFSのTR像とは異なるかもしれないと感じたが、TR共通の仕事を行いながら、専門的な仕事はATとSCに分担することにした。選手の怪我と向き合いたかった私はATを選んだ。
3年生でTRの最上級生となり、チーム全体のことも考えるようになった。AT、 SCの体制になったが、トレ期の多数の怪我人発生、選手から不満の声が上がる等、課題は山積みだった。結果としてTRのみんなを苦しめてしまった。それでも前に進むしかなかった。ATはTRコーチの協力もあり、外傷評価やリハビリを充実させることができた。新しいことを学び、経験を積む中で、自分で選手を観察して気づけることが増えた。徐々に選手と向き合えるようになったと思う。
4年生になり、学生TRとしてできることはなんだろう、と考えるようになった。選手が怪我をした時、競技復帰まで現場でサポートできるのがTRである。競技復帰した後も、選手を支えることができる。選手の最善の復帰を目指すためには、選手の意思、状態の把握と適切なリハビリの実施、ドクターやコーチとの連携、チーム状況、再受傷の予防など、考えるべきことは様々ある。これらを実現するにはTRの存在は必要だと思う。もちろん、専門学校等で学んでいないMASTIFFSの学生TRが一人で完璧に行うことは難しい。だからこそ、手を差し伸べてくれる人達に相談しながら、選手一人ひとりと向き合っていくことが大切だと感じた。
リハビリを立て、選手が順調に復帰出来ると達成感があるし、選手が活躍している姿を見るとこちらも嬉しくなる。一方で、自分の力不足により復帰が遅れてしまったり、怪我が再発してしまうと、申し訳ない気持ちになる。
4年生になった今でも、新しく知ることはたくさんある。判断に悩むこともある。これまでの経験を活かせるのはあと1ヶ月。自分にできることは最大限やりたい。
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53期TRへ
いつも些細なことでも相談に乗ってくれてありがとう。2人のおかげで楽しく前向きに過ごせました。苦しい時期もあったけど、3人だから乗り越えられたと思います。
54, 55, 56期TRへ
頼りない部分を見せてしまったけど、みんなが助けてくれたおかげでここまで来れました。素敵な後輩に恵まれたなとずっと思っています。本当にありがとう。楽しいときはとことん楽しんで、苦しいときは抱え込まずに周りを頼ってください。助けてくれる人はたくさんいます。
53期へ
私は勝ちたいと口にすることは苦手でした。自分の仕事が勝ちに繋がるのか自信がなかったからです。でも、みんなが必死に練習している姿や、ミーティングを重ねている姿、試合で全力で戦っている姿を見るうちに、一緒に勝利を目指したいと思えるようになりました。53期で居られることを誇りに思います。
最後になりますが、後援会の皆様、OB・OGの皆様、スポンサーの皆様をはじめとするサポーターの皆様からのご声援、ご支援に心より感謝申し上げます。MASTIFFSは皆様からのご支援によって強くなっていると、この4年間で実感しました。恩返しできるよう、最後まで戦い抜きますので、ご声援のほどよろしくお願いいたします。