【Last Essay’24 #13】QB #8 藤生輝
「チームのために」
記 2024.11.29
毎年この時期になると先輩方のLast Essayを読んで刺激を貰っていましたが、ついに私が書く側にまわるとなると試合よりも緊張します。日頃より、応援してくださる関係者の皆様、拙い文章にはなりますがこの場をお借りして少し自分語りをさせていただきます。最後まで一読していただけると幸いです。
「お前のためにチームがあるんじゃねぇ、チームのためにお前がいるんだ」
これは私の好きな漫画SlamDunkのセリフの一つです。これは私が大切にしている言葉であり、MASTIFFS全員が意識してほしい言葉でもあります。
アメフトを始めてからの約4年間、何度も逃げ出したいと思いました。それでも、続けることができたのは同期・先輩後輩・MASTIFFS関係者の皆様のおかげです。
1年生の時、強いヒットと華麗なキャッチでoffenseを支えるTEを志望していましたが、色々ありQBという責任重大なポジションを任されました。ポジション特性と先輩の雰囲気も相まって、こんなクール且つカリスマ的なポジションが自分にできるとは思いませんでしたが、任された以上は期待を応えようと週5で練習に参加しました。タグラの端っこで同期とキャッチボールとハンドリングを繰り返し、冬のJVでは負けはしたものの成長は実感していました。それでも、TOP8の舞台で寿藤先輩の控えとして機能するのかが不安で仕方なかったです。
2年生の時、試合を通じてどんどん成長する他の同期をサイドラインからみていることが多かったです。夏合宿を経て、いくら練習してもHudlの中の成長していない自分にやる気が切れてしまい、1回だけ部活を不在にしました。ちょうどその日に、家族から東京ドームの試合を見に来ると連絡がきてしまい、親の期待を差し置いて自分勝手に練習を休み、余計な心配をQBの先輩やコーチにかけたことを心から反省し、翌日からは練習に参加しました。それからはひたすらフィジカル強化とQBランに力を入れました。TOP8という舞台で私に与えられた使命は、控えとして常にサイドラインにいること、上級生のQBが少しでも休めるように何か武器を磨くことであり、それらを達成するためにもフィジカルだけは誰よりも成長させようとしました。実際の試合の出場機会こそ少ないものの、QBラン、ファンブル、パス、インターセプトと多くのことを経験させてもらい、この舞台で戦わせてくれた先輩方には本当に感謝しています。自分の成長だけに焦点を当てるのではなく、チームのために自分に何ができるのかを考えさせられた1年間でした。
3年生の時、私は自分に自信が持てなかったです。アメフトの知識不足、圧倒的な技術不足、後輩の育成に加え、指の骨折による春シーズンアウト。秋シーズンを迎えるのが本当に怖かったです。迎えた初戦の上智戦、試合には勝てたものの、内容としては決して褒められたものではなく、自分の持つ試合への影響力の大きさを痛感させられました。シーズン中、インターセプトや怪我など日に日に自分への自信は失われていき、アメフトを嫌いになっていました。
帝京大学戦、私は最後まで戦うことができませんでした。終わりのハドルで先輩、同期、後輩の涙を見て、本当に悔しかったです。チームのために自分ができることをはき違え、他に頼ることなく自分で多くのことを抱え込んでしまったことを心から反省しました。
残りの1年、MASTIFFSのためにできる限りを尽くそうと決心しました。
4年生の時、私はoffense chiefを任せていただきました。春シーズンは、多くの怪我人とコーチ不在の中でもなんとかoffense unitを形にしようとしましたが、一つも白星を挙げることができず己の非力さを痛感しました。それでも何とか頑張ることができたのは、一緒にoffenseを考えてくれる同期の存在とこんな4年生を信じてついてきてくれる後輩の存在があるからです。
OLが強いブロックと安心感を、RBが突破力とガッツを、WRがスピードととっておきの飛び道具を、TEがかつての混乱と爆発力を、ASが知性とプレイコールを、TRやMG、法人やコーチの方々が支えてきた土台の上にこれだけのものが加わったものが現在のMASTIFFS offenseです。
offense chiefとして、unitをまとめきれているとは思いませんが、今年は学生主体を掲げ新しいことに果敢に挑戦してきました。最後、今年一年やってきたことをchiefとして、QBとして勝利に結びつけることが自分の最後の役目だと思っています。
QBは守られてばかりの存在です。最後まで仲間を信頼しましょう。
QBの合図でプレーが始まります。誰よりも大きな声を出しましょう。
QBの指示を10人が待っています。素早く決断しましょう。
QBのボールを11人全員が奪いにきます。思い切り腕を振り抜きましょう。
QBだってミスをします、常に冷静でありましょう。
最後になりますが、OB・OG、後援会の皆様、スポンサーの皆様をはじめとするサポーターの皆様におかれましては、日頃よりご支援、ご声援を賜りまして誠にありがとうございます。最後まで仲間のために全力でプレーし、会場全体が熱狂の渦に包まれるような試合を創り上げてまいりますので、今後とも熱い声援をよろしくお願いします。