TE#4 村井宏彰
「自分が憧れていた4年生になれているだろうか。」日々問いかけながら前に進む。
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この文章を書くにあたって、MASTIFFSで過ごした4年間を振り返ってみようと思う。
正直、1年時が一番精神的に辛かった。入部当初からある程度体ができていたこともあり、春から上級生に混じって練習をしていた。もちろん誇らしい気分だったし、実際に自分が上手くなっていく実感が得られてとても良い経験であったことは確かだ。しかし、経験者の大川(OL#69)や八石(DL#98)は別として、初心者である自分の場違い感や、他の1年生と一緒に練習する機会が減った寂しさも同時に感じていた。それは秋リーグ戦が近づくにつれ、さらに顕著になった。練習が試合を意識したメニューに変わり、上級生に混ざれなくなっていく。上級生の練習を見学する自分をよそに、他の1年生は楽しそうに練習している。あの頃が一番部活を辞めたくなった時期だった。しかし、そこで不貞腐れず「この瞬間を糧に来年は絶対にスタメンになり、試合で活躍してやる」と気持ちを切り替えた。それが自分にとって大きな転機となり、辞めずに続けるための原動力にもなったと思う。
2年時が、自身の能力向上に最も時間を費やすことができた。1年時の練習のおかげで、覚えるべきことは他の2年生よりも少なかった。しかし同じポジションに経験者の後輩が入り、彼に追い越されまいと危機感を募らせ、「絶対に俺が秋リーグ戦のスタメンになる。」その思いを一層強め、春オープン戦を過ごした。この頃から『熱い』気持ちの大切さを理解していたのかもしれない。実際に秋リーグ戦に出場した時には、漂う緊張感の凄さに驚いた。そんな状況下でも普段通り動くことや「頭はクールに心はホットに」保つことの大切さを知ることができた。
3年生になって、「自分が上手くやるだけではダメ。他の人を助け、全体を見て考えること」の必要性を知った。それまでは自分が上手くなることや、自分が試合中にアサインを遂行することを第一に考えていたが、それでは全体が上手く回っていかない。誰かに判断を任せっぱなしにして、自分から考えることを放棄してはいけない。常に考えて行動することが重要だと知ることができた。
そして、4年生。幹部や目標を決めるためのミーティングに時間を費やし、心身ともに疲れながらも新たな気持ちでスタートしようとした矢先に新型コロナが全国的に蔓延した。3月末から練習を自粛し、例年とは全く違う春シーズンを送ることとなった。自粛中は部員にも会えず、先がどうなるか分からない不安から「自分たちはこのまま引退してしまうのだろうか」など、さまざまな葛藤があった。しかし、幸いにも試合をすることができると決まり、当初の目標である『TOP8昇格』は叶わずとも、『BIG8優勝』を果たそうと新たに目標を設定した。今は毎日を全力で駆け抜けている。その中で、今まで自分がMASTIFFSで得た経験などを下級生に伝えていきたい。
「自分が憧れていた4年生になれているのだろうか。」日々自分に問いかけながら少しずつでも前に進んでいきたい。正直な話、今年が自分にとってどのような1年であったかは終わってみないと分からないと思う。だからこそ、『熱く戦え、熱くやりきれ』を自分自身で常に体現し、秋リーグ戦を迎えたい。