AS 森田晟裕
『TOP8昇格』を描く
紆余曲折の先に見えた景色
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1年生。アメフト部の新歓イベントにしか行かずに入部を決めました。何よりも先輩方が楽しそうで、輝いていて、ここで頑張ればもっと成長できるのかなと直感的に感じたことが入部を決めたきっかけでした。ソフトテニスと自転車競技しか経験したことのなかった自分にとって、“戦術”というものはとても興味を惹かれるもので、すぐにQBのPositionを選びました。日々細かいAssignmentやGame planを勉強できることが新鮮で楽しかった一方、ほとんど投球経験のない自分は使えないQBでしかありませんでした。加えて戦術に惹かれたものの、自分でOffenseを取りまとめてPlay callをするのが苦手で何度も叱られました。頭で考えていることとPlay call、動いたAssignmentがちぐはぐでした。優秀な先輩や同期がいたこともあり、1年の終わりには戦力外通告を受けることになりました。
2年生春。足の速さを評価され、またQBの経験からPass playを熟知しているだろうということでDB(CB)にConvertします。心機一転してDefenseのPlayを覚え練習に取り組みますが、ここでもすぐにつまずきます。1年間QBをしたことでTackleを含めたFundamental能力が低かったうえ、1年時の怪我がぶり返し、アメフトを続ける意義を見失いかけました。
2年生の夏。学科のゼミ活動で海外に行く予定だったので、思い切って数か月休部しました。正直なところ、この休部で幽霊部員になってそのまま逃げようかなと思っていました。しかし、それでもアメフトの戦術に対する興味は消えず、また同期が何人も辞めていくなかで自分は彼らと一緒でいいのかと思い、部に戻ることを決めました。ただ、このまま戻って選手を続けても意味はないと思い、もうすぐ3年生になるのだから今まで部に何も貢献できなかった分、Staffとして何かできることを模索しようと心に決めました。
3年生。ASとして復部して間も無く、Kick ASを始めます。その当時OffenseとDefenseのASは数名ずつ揃っている一方、Kick ASは存在していませんでした。そもそもASの人数が揃い始めたのはここ数年のことで、また当時のASには選手経験やKickのKnowledgeを持った人がいなかったため、多少ながら選手経験のある自分が適任だろうと考え始めます。一から分析Formatを作り、Scouting reportを見様見真似で作りました。昨シーズンの試合からほぼ全ての試合を網羅的に分析した結果、ある程度確実性を担保できるものが仕上がりました。また、選手から相手校の戦術を聞いてもらえるようになり、ようやくチームの一員として部に貢献できるようになってきたのかなと思えるようになりました。
4年生。もっと選手の近くで仕事をしたいと思い、Kick ASに加えGround chiefにもなりました。二足の草鞋を履く事で多忙になることはある程度心積もりしていましたが、予想を超える忙しさでした。日々の練習のManagementに加え、大学の学務とのやりとりや練習に関係する雑務をこなしつつ、空いた時間で分析。一人では到底できそうになかったですが、幸い後輩ASがKick専任になってくれたことで、なんとか間に合っている状態です。タスクが多く、その全てに注意を払えていないことで、たびたび同期に迷惑をかける日々ですが、それでも自分の持てる体力と時間のほぼ全てを部に注ぎ、このアメフト部の大車輪の一部を回していることを誇りに思っています。
選手から始まり、何でも屋のようなStaffへと、紆余曲折を経て見えた景色。それはそれぞれのPositionで最大限の成果を出して部に貢献することの重要性に気がつけたことです。人によって得意不得意があるとは思いますが、自分が活躍できるPosition、生きるPositionを見つけ、そこで責任感を持ってチームを支えることで、バランス良く全体の戦力が上がります。私の場合、それはStaffでした。そして部員全員がそれぞれのPositionで最大貢献することは『BIG8優勝』のジグソーパズルを完成させるようなものだと私は思います。一人ひとりが被らず、一つひとつのピースを埋め、そしてシーズン後半にパズルを完成させることができるチームこそが目標を達成できるチームだと思います。今年度は『TOP8昇格』のパズルを完成させることはできませんが、全員で『熱く戦い、熱くやりきり』、『BIG8優勝』できるように日々練習していきます。
最後になりましたが、これまで応援してくださった皆様に感謝申し上げます。そして今後とも『TOP8昇格』に向けてさらに飛躍するMASTIFFSを見守っていただけますと幸いです。