MG佐々木歩夢
本当の癒しとは、こころ安らぐ優しい抱擁でなく、自分の本音に快や不快も含めて向き合い、それをポジティヴなエネルギーに導いてくれるものをいう。
これはある本から引用しました。私が今年で一番感銘を受けた一節です。
かなり的確にMASTIFFSという組織を表しているように思います。
この意味において、MASTIFFSは私の癒しです。
私にとってMASTIFFSは哲学で、想像の源泉でした。
組織は人の集合体です。
MASTIFFSにいる間、よく人間の本質に思いを馳せていました。
人の行動原理について、リーダーシップとは何か、協働はどうしてこんなにも困難なのか、
コミュニケーションの真価とは、私は何に怒りを覚えるのか、正しさとは何か、
列挙してみると、可笑しいですね。
でも、とにかくこういうことを考え続けた4年間でした。
私以外の人間への好奇心によって、私は私という人間の小ささを知り、優しくなれました。
眩しい光を当てられたり、壁に衝突したりしないと私は自分を捉えられません。
外からの刺激はなかなかに痛くて辛く、苦しいものだけれど、それ以上に自分を知覚していられることの居心地の良さを知りました。これが癒しの境地なのかもしれないと思います。
――― 秋リーグ戦へ向けて
リーグ戦の開幕延期と、大会方式の変更が知らされたあの日を私は忘れないでしょう。私はあの日、4年間で一番想像力を働かせたと思います。一日中、思考が洪水を起こしたように自然に溢れ出てきてどうしても止まらなくて、感情が追いつかず、私自身どうして涙が出ているのか分かりませんでした。
私の頭に浮かんだのは、昨年度Zoom越しに見た先輩たちの顔、有観客に意気込んでいたマネージャーの後輩たちの顔、久しく会えていない後援会の皆様の顔、今までお世話になったたくさんのOB・OGの方々の顔、強化期間に向けていただいた溢れんばかりの差し入れやメッセージ、こんな世の中でも学生に夢を与え続けてくれる連盟の方々、
昇格への希望、勝利への渇望、、、
とにかく洪水は止みませんでした。そして、その存在のありがたさに堪らなくなりました。「ああ、きっと勝とう。勝つしかないんだ。」そう思いました。
――― マネージャーの後輩たちへ
強化期間の中日に一度、みんなには伝えましたが、もう一回書かせてください。これから書くことはマネージャーというポジションを楽しむための秘訣であり、また私自身、死ぬまで大切に心掛けたいことなので、そういう意味でも残しておきたいのです。
*観察力を鍛え、経験と教養を積み上げてください
観察は敵との差異を照らし出し、自己に対しての気づきをもたらしてくれます。人間は学び続けることでいきいきと輝くことができると私は信じています。マネージャーというポジションの面白いところはあらゆる分野の教養が活きてくるところです。アメフトに関する経験はもちろん、それ以外に自分が熱中できるものを大切にして、人間力を磨いてください。
*楽しむ気持ちを忘れないでください
作者の感情はあらゆる制作物に存外反映されるものです。そしてその感情は伝播します。受け手にわくわくしてもらいたいのであれば、まず私たちが仕事を楽しみましょう。何事も楽しんだ方が有利です。
*思いやりと感謝に何度でも立ち返ってください
ふとした時に思いやりや感謝を思い出すことがあれば、ぜひそれを大事にしてください。他者を尊ぶ心持ちはいろいろなことを好転させてくれると思います。
私はマネージャーというユニットが本当に大好きです。みんなの思いやりと可愛らしい笑顔にいつもいつも救われていました。本当にありがとう。特に最後の1年はさすがの私も責務に圧し折られそうになったことが何度かありましたが、みんなが部活に来て、私に笑いかけてくれる、それだけで嫌なことはすっかり忘れてしまっていました。こんなに面白くて優しくて可愛い後輩たちに恵まれた私は本当に幸せ者です。
みんなが悩んでいる時は、大抵誰かを思いやっている時だったなあと思います。みんなは自分と同じくらい他人のことを大切に考えられるから、それはマネージャーとして本当に素晴らしい力だから、どうか大切にしてね。みんなのおかげでどんどん大きく、魅力的になっていくであろうこの組織の成長が今からとても楽しみです。苦しくなったら、どうすれば今を楽しめるかを考えて前に進んでください。
――― サポーターの皆様へ
後援会並びにOB・OG会、MASTIFFSを支えてくださる全ての皆様、日頃より格別のお引立てを賜り、誠にありがとうございます。マネージャーとして、皆様の近くで様々なことを学ばせていただき、人一倍、この組織の素晴らしさを感じることができました。幸せな4年間だったなあとしみじみ思います。50年間受け継がれてきたMASTIFFSというブランドはダイヤのようで、時に私には重たく感じられましたが、ものすごく貴重で美しいものでした。今はあの輝きの一端を担えたことをとても嬉しく思います。
私は2020年度に実施したスタンドをオレンジに染め上げる募金企画をはじめとして、やりたいことを自由にやってきたタイプのマネージャーです。大学生としての4年間、多方面で人生経験を積んだことで、好きでやっていることを誰かに喜んでもらえるというのがいかに難しいことなのかをよく学びました。MASTIFFSにいる間は、私のやりたいことが誰かの需要になっていたということへのありがたみを深く噛み締めています。
パンデミックは私たちとサポーターの皆様を引き裂いたかのように思われましたが、弛まぬ無償の愛情は変化することがありませんでした。サポーターの存在は肉親のように温かく、確実に私のモチベーションであり続けました。本当にありがとうございます。後輩たちの手で更なる進化を遂げるであろうMASTIFFSを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
私の気ままな性格は成人しても変わることがなかったので、私はおそらく一生涯、奔放に不安定な道を突き進むことになるのだと思います。ただ、この部での怒涛の4年間で得たもの、数々の成功も失敗も挈げて生きていくのなら、どのみちいい人生を送ることができそうです。これからも私らしく頑張っていこうと思います。本当にお世話になりました。ありがとうございます。
なんだかこの4年間を締め括るようなエッセイを書いてしまいましたが、リーグ戦はこれからです!(笑)もちろん、残りの期間も全力で駆け抜けます。サポーターの皆様、後輩たち、本秋リーグ戦も共に熱く楽しく戦い抜きましょう!