【Last Essay’23 #7】DL#95 内堀航輝
4年間を振り返って
記 2023.12.11
入学当初は部活動に入らないで、サークル、バイト、勉強と、ほどほどで楽しい大学生活を送ろうと考えていました。しかし時は2020年春、コロナが全盛期を迎えており、私の大学生活は、予定の変更を余儀なくされました。世の中はオンラインのコミュニケーションが主流となり、それに適応できなかった私は、自室という牢獄に閉じ込められた囚人のようでした。あまりにも虚無な時間が流れ、気がつけば夏が終わっていました。その事実に焦りを覚えた私は、部活動に入ることに決めました。部活動でなら、1人では何もできない自分でも、今とは正反対の、刺激的で実りのある大学生活が送れると考えたからです。いくつか団体を回って、最後にアメフト部に決めました。当時「刃牙」という漫画にハマっており、その影響で「強くなりたい」と思っていたからという、単純な理由でした。
2年生になりました。しかし実は、2年生次はあまりアメフトをしていません。トレーニング中に怪我をし、愚かにもその怪我を悪化させてしまい、半年以上アウトしていました。春シーズンが始まり、周りは目の前の試合に向けて必死に練習している中、自分は何の力にもなれないでいる、そのギャップに段々と腐っていきました。しかし、そんな腐っていく自分を受け入れることができず、自分が目指した姿はこんなものじゃないと、自分で自分を追い詰めていました。そんな私が今こうして部活を続けられているのは、チームメイトのおかげです。彼らは、腐っていた自分を受け入れて、一緒に頑張ろうと声をかけてくれました。彼らとフィールドに立って戦いたい、その一心で怪我の期間を乗り越えることができました。そして、この時期にできることをやろうと試行錯誤したこと、その結果得たものは、その後の大きな強みになりました。
3年生は、初めてちゃんとフットボールができた1年でしたが、決して楽しいことばかりではありませんでした。春シーズンの東海大学戦では、相手のエースOLの圧倒的なサイズを前に、何もすることができませんでした。秋リーグ戦では、TOP8のOL相手に1対1で勝ちきれず、全くオフェンスを止めることができませんでした。経験が浅い中で強力なOLを前にどうすればいいかわからず、負けばかりでした。しかし、去年アメフトが出来なくて苦しんだことを考えると、壁にぶつかることができることに幸せすら感じました。何より、TOP8の舞台で、MASTIFFSを背負って戦うことができるのは、とても誇らしいことでした。
そしてついに4年生になりました。代が変わり、これまでのMASTIFFSとは違う、新しいMASTIFFSの形を作りたいと思いながら、一番最初の新4年ミーティングに参加したことを覚えています。しかしその野心は、私には大きすぎたようで、失敗の連続でした。考えが甘かったために、チームを振り回し迷惑をかけ、その度に自分には向いていない、辞めてしまいたい、そんな思いが頭をよぎりました。それでも投げ出さずにやってこれたのは、後輩に恵まれたからです。人数が少ない4年生を支え、要所要所でリーダーシップを発揮してチームを引っ張ってくれる3年生。まだアメフトを始めて1年ちょっとにも関わらず、高い要求に応え一緒に戦ってくれる2年生。右も左もわからない中で、毎日必死に食らいついてきてくれる1年生。どんなにしんどい時でも、グランドに来ると後輩たちがいました。彼らを見てると、こいつらがこんだけ頑張ってるのに、言い出した自分が途中で投げ出すなんて、めちゃくちゃダサいな、もう少し頑張ろう、そう思えました。
気づけばもう最終節まできてしまいました。振り返ってみれば、たまたま入ったアメフト部を、たまたま続けることができた、ただそれだけのことです。しかしアメフト部で4年間を送れたことは、本当に幸運なことでした。沢山のものを得ることができ、仲間や支えてくれる人の大切さに気づくことができました。そんな4年間の集大成として、最後は運ではなく実力で勝ちにいきます。MASTIFFSはたまたまBIG8にいるのではなく、そこで戦うに値するチームだからこそ来年もBIG8にいるのだと、試合で証明して見せます。残りわずかではありますが、どうかお付き合いください。
最後になりますが、スポンサーの方々、OB・OG、後援会の方々、関係者の方々、サポーターの方々、ここまで2023年シーズンのMASTIFFSを応援してくださりありがとうございました。皆様の応援があったからこそ、MASTIFFSは1年間戦い抜くことができました。今後とも、引き続きのご声援どうかよろしくお願いします。